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遠距離介護 交通費の知恵

2016.12.06

読売新聞(ヨミドクター)12/2(金) 12:11

離れた故郷で暮らす親を介護する「遠距離介護」。介護する側には、時間や体力だけでなく、交通費が重い負担としてのしかかる。負担軽減の知恵を身に付けたい。

 東京都杉並区のファイナンシャルプランナー、河村修一さん(50)は昨年末まで15年間ほど、両親がいる山口県への帰省を繰り返してきた。母親(76)が脳卒中で2度倒れ、介護する父親(80)を助けるために月に1度のペースで帰省する時期もあった。

 その後、父も認知症の症状が出たため、年に数度帰省し、症状が進み問題が起きていないか確認する時期が続いた。毎回の交通費は数万円に及び、「都内で暮らす兄と分担して帰省していたが、それでも経済的負担は決して軽くなかった」と振り返る。今は父母とも高齢者向けホームに入居し、河村さんが通う回数は減った。

 明治安田生活福祉研究所(東京)によると、全国で親などの介護をしている人は約600万人にのぼり、そのうち約1割が、片道3時間以上の遠距離介護を余儀なくされているという。

 「交通費の負担をどう軽減するか知っておくことが大切です」と河村さん。

 たとえば、主な航空会社では「介護割引」の制度を設けている。日本航空では、要介護認定がわかる介護保険証や、介護する側とされる側の関係を証明する戸籍謄本など必要書類を提出して登録すれば、路線や搭乗日により異なるが最大約41%の割引を得られる。

 また、介護者を対象にしたものではないが、予約時期が早いほど安くなる「早割」も有効だ。介護割引より安くなる場合もあり、河村さんもこの割引を多く利用することで3万円以上した航空運賃を1万円台に抑えていた。しかし、予約便の変更は原則不可能で取り消しには手数料がかかる。

 格安航空会社(LCC)の利用によっても運賃を抑えられる。

 主な鉄道会社には介護に特化した割引運賃はない。インターネットを利用した会員制の予約サービスを通じ、特急券などを安く購入することはできる。

 高速バスも運賃は安い。しかし、東京―福岡間では14時間以上を要するなど時間がかかり、「疲労がたまる場合もあるので、頻繁に使用する際は気をつけたい」と河村さん。

 介護は長引く可能性がある。遠距離介護する人を支援するNPO法人「パオッコ」(東京)理事長の太田差恵子さんは「交通費も含めて、介護費用は親に負担してもらうのがいいでしょう」とアドバイスする。親も我が子に負担をかける心苦しさから解放される。

 費用分担については、できるだけ早い時期に親やきょうだいを交えて家族会議を開くことをすすめる。親の負担能力に限界があれば、残りはきょうだいで不平等にならないように分担する。

 近隣の人たちなどに相談し、見回りをしてもらうようお願いすることも大切だ。