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なぜ老人は「悪口」だけしっかり聞こえるのか 「介護疲れ」はこうすればラクになる

2017.11.08

東洋経済オンライン 2017年11月08日

http://toyokeizai.net/articles/-/196287

介護疲れと、それによる悲劇が絶えず報道されています。介護をする側は睡眠不足になりがちで、肉体的疲労も大きい。それだけでなく、子育てと違っていつ終わるかわからない介護を続ける中で、精神的な疲労がたまることもしばしば。
そうやって介護をして「ありがとう」と感謝されればまだ頑張れます。しかし、ありがとうの一言が出てこない。それは、老人が「介護を受けることが当たり前だと思っている」あるいは「性格が悪くなっているから」。そう思ってしまうのではないでしょうか。
「でもそれは、正解といえないことも多い」と言うのは、『老人の取扱説明書』の著者であり、シニア世代の新しい生き方を提唱する「新老人の会」会員でもある医師・平松類氏。いったいどういうことか。老人の困った行動の原因と対策を解説していただきます。

高齢者は、高音よりも低音のほうがよく聞こえる

高齢者というとよく話に出るのが、「本人に都合の悪いことは、まったく聞こえない」「優しく話しかけても無視をされる」、けれども「悪口を話しているときは、なぜかしっかりと聞かれている」。「地獄耳」なのではないか?とも思われますが、実はこれ、老化による聴覚の特徴的な変化が原因なのです。

老化によって聴覚が衰えるということは知られていますが、均一に衰えるわけではないのです。若い頃であれば、音が高いか低いかによって聞こえ方に大きな違いはありあせん。しかし、高齢になると高い音のほうが著しく聞こえにくくなってくるのです。低音(500Hz)に比べると高音(2000Hz)で伝えるには1.5倍の音量を必要とするという研究データもあるくらいです。

悪口や愚痴はたいてい、トーンを落として話しますよね。すると声が低くなりますから、高齢者に聞かれやすくなってしまうのです。逆に何かを熱心に伝えたいときこそ、感情が高ぶったりして声が高くなりがちですから、伝わらないことが増えるのです。

ただ、この「高音よりも低音が聞こえやすい」という特徴を上手に利用することもできます。介護などでどうしても伝えたいことこそ、落ち着いて低めの声で話しかけてください。

一方で、介護をしているとどうしてもイライラして、悪口も言いたくなります。そんなときは、「どうせ聞こえていない」と高をくくらず、本人の近くでは話さないようにしましょう。

これらに気をつけると、高齢者に何かを伝えるのはだいぶラクになるはずです。

それから高齢になると無口になりやすく無愛想で堅物。そう思われがちですが、実は理由があります。高齢になると声を出す声帯と声を出すための筋肉が衰えるため、どうしても無口になりやすいのです。

声の衰えは特に、男性に起こりやすい現象です。加齢に伴い、声帯の萎縮が男性の67%、女性の26%に起こるといわれています。定年までは仕事場で毎日会話をし声を出していたかもしれませんが、定年後、急に話す相手は妻だけになる人が多くいます。すると声を出す機会が激減します。そうすると「廃用性萎縮」といって使わない筋肉が衰えていき、会話するのが億劫になります。夫婦間で距離ができてしまい、熟年離婚の原因につながるケースすらあります。

このような状態になっていないか、チェックする方法として、「最大発声持続時間」というものがあります。「あー」という声をどのぐらい長く出せるか調べるのですが、平均は20~30秒です。男性ですと15秒、女性ですと10秒以下になったら赤信号です。

無口な老人を見て、社交性がないとか性格が悪いと決めてかかるのは早計です。声に問題があるのかもと、意識的に見ることができれば、対応は大分変わるはずです。

http://toyokeizai.net/articles/-/196287?page=2  ←続きはコチラ