高齢者の生きがい 健康状態が左右
2017.06.21
読売新聞 2017年06月21日
http://www.yomiuri.co.jp/local/kagawa/news/20170620-OYTNT50404.html
要介護認定を受けた高松市内の高齢者のうち、7割近くが「生きがいが思いつかない」と考えていることが、市のアンケート調査でわかった。健康な高齢者の6割が「生きがいがある」と回答しており、体の不自由な高齢者の社会参加のあり方が問われる結果となった。(猪股和也)
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アンケートは2~3月に実施。健康な65歳以上の3000人と、65歳以上で要介護1~5認定を受けた2800人、40~64歳の1000人の計6800人に郵送し、51・9%から回答を得た。
その結果、「生きがいが思いつかない」という回答は要介護認定を受けた高齢者が68%で、健康な高齢者(37%)の2倍近くに上った。また、地域のイベントなどに「参加したくない」という回答は62・5%に上り、「ぜひ参加したい」「参加してもよい」の計26・7%を大きく上回った。友人・知人と会う頻度も「ほとんどない」が49・6%、過去1か月で会った人の数も「0」が39・8%。自身の幸福感を10点満点で評価してもらうと、平均で5・33点で、健康な高齢者(平均6・92点)との間で落差がみられた。
一方で、「生きがいがある」という高齢者は、理由として▽子供や孫の成長や交流▽趣味▽友人との交流――などを挙げた。市長寿福祉課は「家族や友人ら、人と話す機会を多く持つことが大切」と分析する。
「家から連れ出して友達づくりを進めてほしい」「交通手段を充実させて、老人が自由に集えるところがほしい」など、居場所づくりを求める自由意見もあった。同課の担当者は「『コミュニティセンター』や集会所などを提供しているが、更に充実させる必要がある。調査結果を分析して、高齢者の健康や福祉計画をつくりたい」と話している。