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認知症、介護する側の対応次第で大きく左右 「人の役に立ちたい」要求満たし症状穏やかに

2017.03.15

夕刊フジ 2017.03.14

http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20170314/dct1703141530001-n2.htm

「認知症」という言葉に、どんな印象を持つだろう。物忘れ、徘徊(はいかい)、妄言…。ネガティブなイメージが浮かぶのではないか。

認知症の人は、一人では何もできない。一人にしておくのは危険だから介護施設にあずかってほしい。施設では暴れないよう室内で過ごしてもらい、それが難しければ精神科病院に入院を--そんな考え方がいまだに根強い。

しかし将来、高齢者の40%、つまり国民の6人に1人が認知症になるという推計がある。あなたが認知症になったとき、前述のような生活に耐えられるだろうか。

認知症とは「状態」を表す言葉であり、アルツハイマー型認知症や血管性認知症、レビー小体型認知症など原因疾患はさまざま。同じ疾患でも、症状は一人ひとり異なる。また、認知症になっても感情が失われるわけではないので、介護する側の対応次第で症状は大きく左右される。

ところで、認知症の症状の一つに「記憶障害」がある。人名や日付を忘れる、ものをしまった場所がわからなくなる-などだ。しかし、身体で覚えた「手続き記憶」は比較的保たれる。料理が得意な主婦が認知症になっても包丁さばきが上手、ということは珍しくない。

もう一つ大事なことは、認知症になっても「人の役に立ちたい」という欲求は残るということ。この欲求を満たすことは、認知症の症状を穏やかにする効果がある。

神奈川県藤沢市の「あおいけあ」が運営する介護事業所では、認知症高齢者が公園を掃除したり、お祭りで地域住民をもてなす姿が日常的に見られる。介護スタッフは、高齢者が困らないよう影武者のように付き添う。結果、認知症の高齢者も地域の一員としての役割を果たし、住民とつながりを持ち、生き生きと暮らしている。

東京都町田市にある「DAYS BLG!」は、働きたいという願いをかなえるデイサービスを実践する。認知症の人が自動車ディーラーやレストランなど、地元の企業で有償ボランティアとして仕事をしている。

いずれも「危険だから」と認知症高齢者を社会から遠ざけてきた従来の常識とはかけ離れた発想だ。

認知症になっても社会とつながり続けたい。それは現役世代にも共通の願いだ。次回以降、超高齢社会で避けては通れない「認知症」の本当の姿を探っていく。 (堀口直人)