嚥下機能を見極める支援とライフバトン~牧野式 食べない方の支え方~
2017.01.06
メディケアアカデミー摂食嚥下セミナー
テーマ:嚥下機能を見極める支援とライフバトン~牧野式 食べない方の支え方~
牧野 日和(まきの ひより)
愛知学院大学 心身科学部 講師
博士(歯学)
言語聴覚士
日本心理学会認定心理士
日本言語聴覚士協会 認定言語聴覚士 摂食・嚥下障害領域
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日時:2017年2月11日土曜日
午後1時30分~午後4時30分
場所:浦和コミュニティセンター 第15集会室
さいたま市浦和区東高砂町11-1
浦和PARCO・公共施設コムナーレ9階
さいたま市市民活動サポートセンター内
TEL.048−887-6565
*電車でお越しの方
JR線「浦和駅東口」より徒歩1分
*駐車場について
駐車台数835台(公共駐車場・有料 30分200円)
参加費:5,000円
【参加方法】
1、イベントページの参加をクリック
2、メール(pinkoro100@gmail.com )
問い合わせ ピンコロカンパニー TEL070-3189-0100
懇親会:午後5時30分~午後8時
https://www.facebook.com/events/394037840928838/
*別途イベントページ、またはメールで申し込み下さい。
ぱいかじ 浦和パルコ店
TEL048-611-8325
さいたま市浦和区東高砂町11-1 浦和PARCO 5階
会費:4000円
『セミナー詳細』
嚥下機能を見極める支援とライフバトン
〜牧野式 食べない方の支えかた〜
生物の多くは、命の最期に食べられなくなる。
人も例外ではない。深刻な病気を罹った人や老衰で命を落とそうとする人も、最期は食べたい気持ちや食べるための身体機能を失って没していく。
身内や支援者はどう捉えるだろうか。彼らの認識は死にゆく人とは異なる。彼らにはまだまだ生きる力がある。彼らは身内の衰弱や死に混乱しそれをどうにか受け入れ、そして最期に何かをしてあげたいと願う。それは死にゆく身内のためであり、身内の死後生きていく自分のケジメのためでもある。死にゆく人のなかには、そんな彼らのために「自分が見ることが出来ぬ後進の余生を案じ、先人の最期の務めと思い食べようと見せる」方がいる。
命の最期に支援者はどうあるべきか。対象者の人生の終盤、とくにみとり期における支援において食べることはオプショナルのひとつに過ぎない。この時期の支援の本質は、逝く人の自己超越の萌芽を支え、見送る人が死生観を養いその後の自身の人生観を意味あるものに変えるための好機になるよう、その舞台を設け、黒子に徹することである。これを「命のわたり(ライフバトン)支援」という。命のわたりを下地にすることで、最期に食べる支援は最大の効果を発揮する。最期を支える支援は決して食べることがゴールではない。結果的に食べられなくてもいい。食べても食べなくとも、わたりを促すことは決して忘れてはならない。
対象者の御葬式、支援者は後進と挨拶してみよう。そこで身内が心の底から後悔していたか、達成感を得ていたか。それが支援者の支援が成功したか否かの判定である。
講演では、認知症を始め、食べられなくなった人への対応をモチーフに、構造的に食べることをとらえ、認知症などの障害の特徴を解説し再び食べられるための方略を動画を交え種々紹介する。他方、医学的な治療やこれらの支援を一定期間実施したにもかかわらず対象者が取り戻せない場合の支援をどう展開するかについても解説を行う。
今回の講演が、食べられるか否かを検討し、適切に支援が行われる一助になることを祈念する。
愛知学院大学 牧野日和